『素晴らしきかな、人生』(2017)。タイトルが普通過ぎるので、アマゾンプライムで知ってはいましたが、見送り続けていました。それに、1946年の『素晴らしき哉、人生』とタイトル一緒です。なぜなんだろうと思いつつ、やっぱり見送っていました。(笑)しかし、先日友人から勧められたので観てみることにしたのです。ちなみに原題は、『COLLATERAL BEAUTY』で「幸せのおまけ」と映画の中では翻訳されてます。
【Amazon あらすじより】ニューヨークの広告代理店で成功を収めていたハワード。しかし彼は最愛の人を失い、深い喪失感に見舞われ、プライベートも仕事もやる気なし。会社も危ない。同僚たちもそんなハワードと会社を心配していた。そんなある日、人生ドン底のハワードの前に3人の奇妙な舞台俳優が突然現れた。不可思議な言動をハワードに投げかける年代も性別も異なる3人。しかし、その出会いによってハワードに徐々に変化が…。
深い喪失感のハワードにどう寄り添っていくか? というところが、映画の1つのテーマでもあると思います。心を閉ざしてしまい、寄り添いたくても、どう寄り添っていいのか? 困っていたのです。そんなとき、同僚の一人が母親の介護をしていて、思いつくのです。そのアイデアを話しているシーンのセリフはこちらです。
お袋は脳卒中で脳が正常に動いていない。それで変なことを言うたび、僕は訂正してた。でも、おふくろは混乱するし、僕もストレスだ。ある時、人から賢い助言をもらった。「君のリアルを押し付けるのはやめて、彼女のリアルに合わせろ」と。おふくろに合わせたら、会話も楽に。まるで即興ゲームだ。
この映画を観た翌日のセッションのこと、あるクライアントさんが、サポーティブなパートナーから、「ありがとうと承認してもらいたい」と言うようなことを言われ、「自分で自分を認めることができないなんて!」と、相手の承認欲求が理解できなかったと話していました。
私は言いました。「自分と相手は別のものだから、相手がそう言ってほしいというならば、そう言えばいいんですよ。それでやる気が出るんですから」と。そういうの腹立つ人も多そうですが、(笑)相手にとっての取り扱い説明書には、「ありがとうの言葉でやる気が出る」と書いてあるというだけですから。
植物だって、初めてのときは、どれくらいの頻度で水を上げるか? 取扱説明書を見ないと分かりません。または、1日おきにあげたときと、毎日あげたときと、観察してみて、どちらがいいのか? こちらが学習することもあるでしょう。
「自分がこうだから、相手もこう」と言うことまずないです。映画の中の設定は、脳卒中や深い喪失感の相手ではありますが、普段にも応用できる「寄り添い方」をいい表しています。映画の方は映画らしく、もっとすごい寄り添い方になっていますから。(笑)ぜひご覧ください!
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