ライフコーチ15年間のターゲットの変遷。

 30代の間に独立を視野に入れているクライアントさんより、「どの様にしてターゲットとするお客様を決めていったのか?」質問されました。

 クライアントさんは専門的知識を生かして、サポートをしていく仕事となりますが、お客様によって規模や業種が違ったりするので、「・・・専門」みたいにやってる人も多い業界です。一方、一般的な業務を請け負う会社もあるようです。

 今の自分の経験では、「・・・専門」と言えるものがないので、ターゲットを決めにくいと言っていました。なので、私の経験を参考にしたいとのこと。

 私は最初、アパレル店長として成果を出していたので、店長や販売員の方にセッションを依頼されました。やがて『かないずむ』をリリースしたことで、独立したい人たちが増えました。しかしそのあたりで、「ノウハウ」を知りたがる人が多いことに違和感を感じたり、一方で、「行動したくてもできない」人たちが多いことも、問題に感じていました。だったら、行動する人たちだけを相手にすればいいのでしょうが、この世の中、そちらの方が少ないようです。

 行動できない人って、何がいけないのか? そうして、セラピーやカウンセリングなどの分野にも興味が湧いていきました。クライアントさんで、インナーチャイルドセラピーができる方もいらして、実際にどういうものか? 私もセッションに同席したりしながら、「子供時代」がいかに大切か? ということも理解できました。そう考えると、私は子供のころから自己肯定感が高いほうで、なんでも「やればできる」と思うタイプであることにも気づきました。だからできない人に対して、どう寄り添っていいのか?も悩みだしたのです。

 そんなときに、『精神対話士の聴く技術』の本を読んで、「私がやりたい傾聴はこれだ!」と感銘を受け、すぐにメンタルケア講座を受講しました。基礎編と実践編があり、半年くらいかけて傾聴の姿勢について学び直したのです。

 そして寄り添う傾聴ができるようになったころ、英会話の先生に「君は、サラリーマンをターゲットにしたらいいよ!」と提案されました。特にターゲットを決めていなかったので、世間のコーチングのイメージで、個人事業主のクライアントさんのほうが単に多くなっていたころです。なので、とても不安に思いましたが、思い切って「サラリーマン限定セミナー」を展開していきました。

 それから、サラリーマンと主婦のクライアントさんが増えてきました。さらに、英会話の先生に「君のコンセプトは、ONE DAY ONE UNITだね」と言われ、もはやそのために生まれてきたのではないかというくらいの衝撃を受け、(笑)ONE DAY ONE UNIT手帳を生み出しました。

 当初は、手帳を常時販売するだけの予定でしたが、これまた英会話の先生から、「みんな手帳を買っても使わないよね。だから、手帳を使うコンペティションを開催したら?」と。それが、「手帳を使うキャンプ」の始まりとなりました。値段設定も、これまでのコンテンツよりもリーゾナブルにしたところ、主婦のクライアントさんが定期的にキャンプに参加する、という流れになっていったのです。

 気づけば15年間で、店長、販売員、管理職、個人事業主、サラリーマン、主婦、姪っ子(笑)を経てきました。「お茶の間の皆さんのコーチングをしたい」と思っていたので、気づけばほとんど網羅していたのです。

 そんな話を聞いたクライアントさんは、「自分もお客様の伴走者となるような関わり方をしたいです」と言いました。

 スタート時の私は、店長と販売員のコーチングしかできなかったので、今できるところで決めればいいです。そして続けていく中で、自分の心の声、違和感に従っていれば、ある日の一言、ふとした直感で急に道が開けます。「聴く仕事」であることは変わりませんが、心の声に従っていけば、そうなりたいと思っていた自分になっていくのです。