過小評価がもたらす悩み。

 転職面談で、自分のやりたいことを相手にしっかり伝えることができ、話し合いもできたそうですが、迷っているようでした。いろいろと話を聴いていると、その転職するかもしれない会社は、悪くないようです。何か決定打が欲しいのでしょうか?

 「その会社のポジティブなところはどこですか?」と質問してみると、「自分がポジティブに捉えられていないことが問題かもしれない」と。

 それで具体的なことをもう少し突っ込んで訊いてみると、駅から近いですし、今住んでいるところからも近いですし、有名なビルにも入っているようですし、従業員の数も多く、勢いがあって、ビジネスの幅もこれから広げていくという事実が語られていきました。

 具体的に質問をしたことで、ようやく数字という事実も知ることができましたし、私がクライアントさんから当初聴いた評判的なものよりも、ずいぶんよさそうに聴こえたのです。

 なぜ評価の誤差が生じてしまったのか? さらに謎を解いていきました。

 それは、「調子に乗っていると思われるのでは?」という恐れから、ひけらかさないように、控えめに伝えるようにいつもしているようなのです。

 そんな「ありのまま」×6割くらいの感じでいつも物事を見ていると、自分の中だけで考えていては、「これでいいのだろうか?」と、なってしまうことでしょう。それが雪だるま式に大きな悩みになっていたのです。

 こうして他人に話したことで、「ありのままに見ず、過小評価してますよ」と言われて、はじめて正当な評価というか、ありのままに見ることができて、「悩んでいたと思いましたが、どうやら悩んでいなかったようです。問題はありませんでした」(笑)と、最後にクライアントさんが言いました。多くのことは、問題なんてないのです。