今回の参加者は3名。ダイアログ・インザ・ダークを母から娘さんへプレゼントするという発想の方とご一緒することになりました。
今回は目的がお昼寝のため、更衣室で上着、靴下などを脱いでから暗闇へ。
視覚障がい者の方がガイドです。昨日も思いましたが、目が見えない分、声に張りのある方が多い印象を受けました。白杖の使い方などの説明を受けて、部屋が暗くなりました。午睡だけかと思ったら、ダイアログ・インザ・ダークも体験するようです。ということで、昨日の暗闇で研ぎ澄まされた五感の感覚を覚えるためという目的を再度持つことにしました。
今回もネタバレ注意です。先入観無しで体験したい方は、あとからお読みください。
★砂利道を歩く
まずは、芝生の床からはじまり、砂利道にも入りました。音とひんやり感と足つぼマッサージ感です。感触に感覚を奪われて、昨日ほどイメージが広がらないなと感じました。地味に足元に集中です。
★にじり口をくぐる。
ガイドの方が「にじり口」を通りますと言いました。茶室の入り口だそうです。身分を平等にするために、腰の高さくらいの小さな入り口になっているのだそうです。
屈んで入ることができました。すると、広い床が続いている感じがしました。ただそれだけの情報量。昨日のボールを投げる、電車に乗るみたいなアクティビティーがない分、今回は、わびさびが感じられました。
★お手水
砂利の庭を歩き、水の流れの音のほうに行くように言われます。音を頼りに、だんだんと井戸のような丸い形をした石に触れました。お手水でしょうか。
見えてないから分からないのですが、きっとこんな感じだったはず。竹があるのは触ってわかりました。そして中には冷たい水が入っていました。しばし、パシャパシャと遊びます。
それから、「足湯へ行く」ということで、もう一人の視覚障がい者のガイドさんが登場しました。またも通る声をお持ちの方です。暗闇の中、私たちの足元に足桶が置かれ、お湯まで注がれ、ラベンダーのバスソルトまで入りました。いい香り。私たちは何も見えないのに、暗闇でさっと用意ができるエキスパートです。
ここで5人でフリートークになりました。大学生の娘さんが、「なんか山にいる感じがしますね。最近、母と高尾山へ行ったばかりかな」と言いました。その高尾山の話が終わってから私はいいました。「私も山登りデビューをしたばかりなんです。大平山と晃石山というところで、半蔵門線の南栗橋の先にあるんですよ」と。するとお母さんに「どこの駅ですか?」と聞かれたので、「新大平・・・」と思い出しながら言っていると、ガイドの方が「新大平下駅ですね。旦那さんの実家がそのあたりで、最近行ってきたばかりです」と。お陰で、正しい駅名を伝えられました。それにしても、また未来がこうなることが決まっていたかのようなシナリオに驚きました。
それから、娘さんのアメリカ留学の話になり、ガイドの方は、ドイツに留学していた経験があるとか、もう一人のガイドの方は1か月イタリアに留学したらしいのです。二人とも英語圏ではないし、暗闇の中にいると、視覚障がい者と会話していることをすっかり忘れ、とても積極的に人生を楽しんでいる人達と話をしているような、暗闇の中で逆転現象が起こったのです。はじめて会った人たちで、どこかシンクロする部分がありながら、足湯トークに花が咲きました。
そして、いよいよ午睡へ。マットレスがある方へと誘導してもらいました。
360度方向から虫の音、心地よいアロマの香り、身体が委ねられるマットレス。全く眠気なしだったため、ヨガのシャバーアサナな時間を過ごしました。30分くらいでしょうか。香りが変わってきて、そろそろ起きるときかなと思いましたら、静かに鐘の音がして、お目覚めの時間となりました。
感想をシェアしました。私は「瞑想を毎日しているのですが、目を瞑ると瞑想のときの光が見えたので、リラックスできたんだと思います。ただ、目を開けても暗かったです。(笑)」と言うと、皆さんが笑っていました。そしてガイドの方が、「私、瞑想のとき目が開いているかも」と言いまして、さらに笑いが起きました。というのも、いつも暗闇だからだそうです。寝るときはさすがに目を瞑るそうですが!
果たして、いつもと質の違う睡眠になったのかはよくわかりません。私の生活は、時間にも追われませんし、いつも時計を見ないで過ごしていることの方が多いので、ストレスも少ないです。今回も暗闇の中で何分時間が経過したのかもよくわかりませんが、90分のようでした。
暗闇の中で寝ることは、目を開けてもそこは暗闇だった。なんだかそこが一番衝撃だったのかもしれません。
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