会話をしているとき、遮断するようなコミュニケーションの傾向があるのかもしれない。

 自分が話している声を録音して聞いてみたことはありますか? 私は仕事柄、自分のセミナーの声や、また趣味の分野ではボイトレ、英会話の音声などを毎回聞いています。この前は、英会話のレッスンで、”How are you?”と聞かれたと思って、”I’m good!”と答えているのを発見し、自分で爆笑してしまいました。どうりでインストラクターが笑っていたはずです。訊かれていなかったので。(笑)

 自分を客観視できると、人は改めようと思います。あまりにも忙しくて鏡を見る時間が少なくなると、どうでもよくなってしまうという悪循環にもなります。

 プロの道に入ると、自分の客観視は欠かせません。セミナーの音声などは、「えっと~が多いな~」など、ダメなところを自分で評価して直してきました。はたまた、いつもの自分すぎて気づかないこともあり、セミナーの参加者のアンケートに「笑って話しすぎるのを辞めて欲しい」と書いてあったこともありました。どうしても受け入れ難い事実でしたが、自分で見ても、気づいてしまいました。多くの方により届きやすくするために、ひとりが耳障りということは、他にも耳に障る方がいらっしゃるだろうと思って改善です。客観視は、自分を育てることに役立つのです。

 経営者のクライアントさんが、私とのセッションの音声をランニング中に聴いてみたそうです。私の対話の導き方に感心して下さったのと同時に、自分が相手の提案に対して、多くは難色を示すような、いわば否定的な返答をしているのが初めてわかったとおっしゃっていました。

 私の提案に難色を示しているということは、普段の会話でも、相手からの提案に「そこが、なかなか苦手なんですよね」など、言っているかもしれません。私は対話を続けようとするので、相手が否定的な感じであっても、「チン」とならずに、対話を続けることができます。しかし多くの場合は、「じゃあ、いいや」と、相手もそれ以上は語るのをストップしているかもしれません。遮断するようなコミュニケーションの傾向にありそうです。これでは深まりません。

「僕は、普段の会話でもそうしているのかもしれませんね」
「で?」
「変えなくちゃと思います…。わぁ、また誘導された?!」
「わはは、誘導してないですよ。その続きがあるのかなと思って、『で』で、つなげただけですから(笑)」

 周りの人に「一見優しいけど冷たい」という言葉をよく言われるとおっしゃっていました。最初は受け容れられたと相手は感じたけれど、返された言葉は、なんだかプチっと切れてしまうような印象なのかもしれません。

 相手に話を続けてもらいやすくするためには、聴く側は繋げていく役目をします。
 特に日本では、相手が相槌もしないでいたら、話していていいのかしら? と不安に感じて、やがて話が止まると思います。そこで、つなぎとして、相槌や相手の言葉を繰り返したり、リアクションを取ったりしながら、相手に話したいと感じてもらうのです。
 あるクライアントさんが、初対面の90日コーチングオリエンのときに、「話が遮られたと感じたところが一つもなかったんで、これからお願いします!」とおっしゃっていました。聴き手のときは、流しそうめんがサラサラ流れていくような水のようなイメージです。

 私の聴き手としてのスタンスとの違いをみていくと、クライアントさんの傾向として見えてきたのは、「聴き手なのに、自分の意見を言って終わることが多いかも」「『あ、こういうこと?』と、せっかちにまとめる傾向がある」というのが見えてきました。

 相手の話をまとめるときに注意しなくてはいけないことがあります。それは、「相手の言葉でまとめる」ということです。相手の言葉でまとめると、相手の中にその人の言葉が再び入るわけですから、当然話しやすくなるのです。相手のキーワードを繰り返すことは、相手が話しやすい環境を作っているのです。そのときに異質の言葉が入ったら、相手は話しにくくなってしまうでしょう。

 先ほど、私が相手にまとめてもらうために用いた「で?」と言ったこといついて、クライアントさんは言いました。

「僕のは、まとめたあとに、『で?』と聞いているかもしれません。相手のセリフを奪い、アドリブを要求しているようですよね。それじゃ、相手も困りますね~(笑)」
 ご自身の言葉で、うまくまとめられていました。

「ビジネスのことは、すぐに取り入れようとされますが、コミュニケーションは日々のことですからね。優先順位が高いですよ」と私がくぎを刺すと、「はい。明日からがんばります!」と若干難色を示して返ってきたので、「いやいや、今日からですから!」とお返ししました。(笑)

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分の客観視の機会は設けていますか?


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