「褒められたい、認められたい」欲求から抜けるには?

 60分セッション2回コースという新しいメニューをお作りしました。2回目が終わった方、1回目が終わった方など経過をみているところですが、ご好評いただいています。

 1回目のセッションで、視点(フォーカス)が変わり、現実世界が変わったように感じます。ずっと自分の中で悩んでいたところから、可能性を探っていく対話を体験することにより、まずは抜けるきっかけを得るわけです。
 その後、新しい視点から物事を捉えたり、行動してみるわけなので、当然違った経験をします。成功体験へつながることもあるし、失敗体験となったとしても、今までは自分がどこで失敗するのか分からなかったことが、「客観視」できていることも変化です。いずれにしても先に進みます。

 その変化からさらにどうしていくか、2回目のセッションで扱います。継続セッションの場合は、それがずっと続いていくので、常に進化している状態がつづいていくのです。


 さて、2回、60分対面セッションをした方は、「初めてのリーダーシップなので、どうしたらいいか戸惑っている」というテーマでした。

 1回目のセッションでは、「自分が思っているリーダーの仕事とは?」から、お聴きしていきました。
「意見を吸い上げて改善に努めたり、影響力を出したり、上司に提案をしたり…」と考えていることが出てきました。
 そのうちに、「自分はコミュニケーション能力が高いわけではなく、一人で黙々と工夫しながらやるタイプだ
から、みんなもっと工夫してやれるのではないか」という話になり、「それくらい自分で考えてやるものだと思う。できないのなら、自分がやった方が速いと思う。遅いとイライラする」と本音の部分が出てきました。

 その話を聴いて、「それだからこそ上司がリーダーをしてほしい、と頼んできた」のだと私は感じました。クライアントさんは、チームのなかでも仕事のクオリティーの評価が高いから、リーダーを任されたのだと思うのです。そうフィードバックすると、「先日、上司の仕事の振り方が変わっていました。私の仕事だったものを、他の2人に振っていたので、なぜ? と思ったんですよね」とおっしゃいました。

 「ということは、フォローするのがあなたの仕事だよ、と上司は隠れサインを出しているってことですよ。その2人が仕事をしやすいようにフォローしたり教えたりするのがリーダーの役割ですから」と私はフィードバックしました。クライアントさんは、そこまで上司の真実を想像してはいなかったようです。

 「自分が色々と学んでいることをシェアしながら、もっとできるように働きかけるのがリーダーですよ」と続けて私が言うと、「シェアしていくことに損得勘定を感じる」というところに辿りつきました。
 リーダーの仕事をするに当たって、ブロックになっていることに気付いたのです。以前も「損得勘定」がブロックになっていると思うことがあったそうなので、クライアントさんとしても、いよいよ変化に対応する時期に来ていると認識されたようでした。
 
 ここで1回目のセッションが終わりました。


 そして、翌日にすぐ山場を迎えたのです。上司の言葉に悔しさが湧いてきて、落胆どころか、スイッチが入ってしまったようです。(笑)セッション後の報告メールが送られてきて、2回目のセッションは、1回目の5日後にすることになりました。素早い展開でした。


 まずは、気持ちの整理からです。それから具体的にどうしていくか? という話になっていきました。
 「上司との話し合いのことを皆にどう伝えていけばいいか?」「自分の影響力を出してほしいと言われるけど、どうするのか?」など一緒に考えていきました。

 そのあと、「自分が褒められなくなった」ことに、「私は?」と思うことがある、という話が出てきました。

 私もアパレル店長になったときに、全く同じことを思ったことがありました。「なぜ、いろいろと頑張っているけど、褒めれないの? 誰から評価されるの?」と。
 20代のころは、常に評価のために頑張る意識が強かったです。しかし自分がリーダーになると、なぜか評価されないのです。始めは、転職して会社が変わったからかな? と解釈していたのですが、それがあまりにも続くので、不貞腐れていきました。(笑)
 
 でも、あるとき評価を貰いたいと思うことを諦めました。と同時に気付いたのは、「私は、部下やお客様から評価されるようになろう」ということでした。自分が人を認めたり、褒めるほうになってきたのです。人間的に成長した証拠だと思いました。
 
 その途端、今までのベクトルが、いっきに変化し、スタッフやお客様満足のために何ができるだろう? と考えるので、結果もついていきました。そんな話をクライアントさんにしました。

 また視点を変えるために、太陽と月の話をしました。太陽は目立ちますが、実は太陽は月を照らす役割です。太陽は眩しすぎてじっくりと見えないもの。リーダーは自分が太陽となって、周りを照らしていく。具体的には、皆の強みに気づかせてあげたり、仕事を任せて部下が力を発揮することを助けるという役割です。やがて、部下からの感謝の言葉が喜びにつながるのだと思います。

 2回のセッションは、次元が上がるような、セッションになりました。たいてい、次のステージに上がるときは、悔しくなったり、嫌なことが起きたりするものです。これまでと意識を変えなさいよ、と言うことだと思います。

 既にそういった体験をしている人から、視点の違う話を聴くことが、抜けるきっかけと覚悟できるきかっけをもたらしてくれる気がします。どうしても抜けられない時、会う人を変えたり、読む本をワンランクアップさせたりして、次元上昇に対応させていきましょう。


 「自分が認められたいなら、人を認めなさい」と言いますが、今までなんとも思わなかったところに、アレ? と感じるとき、自分のステージが順調に上がっていますよ、というメッセージなのです。