「いらっとしてしまったり、どうして、と少し困ってしまうような相手の態度や言動、その時の自分の状態について考えてみたい」と、クライアントさんのセッション準備用紙に書いてありました。それを読んで、向き合わずして回避する方法なんてないと、改めて思いました。 それは、こうすべきなのだと、納得させることではなく、しっかり見て、いまの状況について味わい、考えてみることだと思います。今回は、最終的にどんな課題が見えてきたでしょうか?
クライアントさんは、ピアノの先生です。困ってしまう相手というのは、9歳の男子生徒です。ピアノを習って1年半ですが、覚えもよくて、センスもあるみたいです。その子が、学校で伴奏を頼まれるかもしれないということで、ちょっと難しい楽譜を持ってきたようでした。
クライアントさんは、「難しいけど、やってみたいのね」と、その子の気持ちを確認して、レッスンに取り組み始めたそうです。
しかし、やはり難しいところがあって、そこを何度も教えていても、その子は、弾けないから止まってしまい、何も言わずに、こちらの顔を覗き込む場面が、多くなっているみたいでした。
クライアントさんは、「やりたくて持ってきた楽譜なのに、本当にやる気があるのかな? 曲が、難しすぎたのかな? どうして出来ないのだろう?」と、その子の気持ちがよく掴めなくなっているようでした。そこで、思考が止まってしまったようです。
私は、その話を聞いて、「何も言わないというか、どう言えばいいかわからないのかな」と思いました。まずは、生徒の気持ちになって考えてみることにしました。
「止まって、何も言わずに、こちらの顔を覗き込む…」。
きっと何か言いたいことはあるでしょう。でも、言葉が浮かばないのかもしれません。やりたいと言った手前、「難しいからやりたくない」と、言いにくいかもしれませんし、難しいことに挑戦する自分が、できないことになったらカッコ悪くなるのが嫌なのかもしれません。プライドがあるのかもしれません。
1年半しか、レッスンをしていないわけですから、何がどう難しいのか、言葉にすることに詰まっているのかもしれません。
難しい曲のレッスンをする前に、本来ならば、この本とあの本を習得する必要があるのだと言うことも、まだ、知らないのかもしれません。「難しい曲ができるから凄い」というところに焦点が当たっているのかもしれません。 先生が知っている「難しいよ」と、その子が知っている「難しい」にとても差がありそうです。
ここまで考えてみて、クライアントさんが、生徒のやりたい気持ちを尊重し、「難しいと言ったけどね、でも、やりたいと言ったよね」と、生徒任せになりすぎている感じも見えてきました。
つまり、「相手のやりたい気持ちを尊重すること」にプラスして、「相手のためを考えて指導すること」について、クライアントさんが、もっと向き合っていくことが、今後の課題であると見えてきました。
その曲を弾けないことが、ダメと言うわけではないことを伝えながら、本人のやりたいという気持ちを損なわず、今、必要なレッスンをして、そのうち難しい曲につなげていかれるのだ、ということを教えてあげることが必要なのでしょう。
次に、相手が話しやすくなるように、相手の気持ちに寄り添った言葉選びについても考えていきました。
「難しいかな?」、「できそうかな?」と投げかけたら、「自分は下手なのかも」と、自信をなくしてしまう場合もあるかもしれません。
言い方次第で、相手のやる気を引き出せたり、安心して取り組めたりもするのです。どう言えば、相手の気持ちに合っているか? 相手のことをよく考えることも大事そうです。
子供ですから、大人よりも、自分の気持ちを言語化する言葉が少ないので、困っている場合もあるのでしょう。 相手の気持ちに寄り添って、相手が喉まで出てきているけど、言葉にならない言葉をフォローすることも、本当に相手を見ようとしたら、見えてくるかもしれません。
これからの指導をより深めるために、「相手に寄り添う」という課題も見えてきました。
先生のクライアントさんとは、3年くらいセッションをしていて、自身の内面を見つめる日もあれば、指導についての話も深めてきました。
最初の方は、「相手は視覚タイプだから、こう言うと伝わりやすい」というように、相手の優位感覚別に分けて、理解するという方法をアドバイスしたことがありました。
今思えば、それは、頭で考えて分ける方法を知ったにすぎなかったのかもしれません。そこを経由して、今度は「相手に寄り添う」へ。そのほうが、心の目を使うので難しいですが、本質なのでしょう。
今日はこちらの質問はいかがでしょうか?
相手のことを心の目で見ていますか?
┏━┓
┃☆┃SEMINAR
┗━╋...──────────────────────────────
■2013年2月17日(日)第1回 コミラボ
講師:堀口ひとみ/播磨弘晃
コーチングを専門としているふたりによる傾聴のエッセンスやメソッドが学べる講座です。
今回1回目の開催ということで、通常10500円のところ、⇒ 初回限定5250円とさせていただきます!
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仮説、着想、ひらめきなど、自分自身の見つける力を磨いていきます。
■これから開催予定のまとめページはこちら。
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クライアントさんは、「難しいけど、やってみたいのね」と、その子の気持ちを確認して、レッスンに取り組み始めたそうです。
しかし、やはり難しいところがあって、そこを何度も教えていても、その子は、弾けないから止まってしまい、何も言わずに、こちらの顔を覗き込む場面が、多くなっているみたいでした。
クライアントさんは、「やりたくて持ってきた楽譜なのに、本当にやる気があるのかな? 曲が、難しすぎたのかな? どうして出来ないのだろう?」と、その子の気持ちがよく掴めなくなっているようでした。そこで、思考が止まってしまったようです。
私は、その話を聞いて、「何も言わないというか、どう言えばいいかわからないのかな」と思いました。まずは、生徒の気持ちになって考えてみることにしました。
「止まって、何も言わずに、こちらの顔を覗き込む…」。
きっと何か言いたいことはあるでしょう。でも、言葉が浮かばないのかもしれません。やりたいと言った手前、「難しいからやりたくない」と、言いにくいかもしれませんし、難しいことに挑戦する自分が、できないことになったらカッコ悪くなるのが嫌なのかもしれません。プライドがあるのかもしれません。
1年半しか、レッスンをしていないわけですから、何がどう難しいのか、言葉にすることに詰まっているのかもしれません。
難しい曲のレッスンをする前に、本来ならば、この本とあの本を習得する必要があるのだと言うことも、まだ、知らないのかもしれません。「難しい曲ができるから凄い」というところに焦点が当たっているのかもしれません。 先生が知っている「難しいよ」と、その子が知っている「難しい」にとても差がありそうです。
ここまで考えてみて、クライアントさんが、生徒のやりたい気持ちを尊重し、「難しいと言ったけどね、でも、やりたいと言ったよね」と、生徒任せになりすぎている感じも見えてきました。
つまり、「相手のやりたい気持ちを尊重すること」にプラスして、「相手のためを考えて指導すること」について、クライアントさんが、もっと向き合っていくことが、今後の課題であると見えてきました。
その曲を弾けないことが、ダメと言うわけではないことを伝えながら、本人のやりたいという気持ちを損なわず、今、必要なレッスンをして、そのうち難しい曲につなげていかれるのだ、ということを教えてあげることが必要なのでしょう。
次に、相手が話しやすくなるように、相手の気持ちに寄り添った言葉選びについても考えていきました。
「難しいかな?」、「できそうかな?」と投げかけたら、「自分は下手なのかも」と、自信をなくしてしまう場合もあるかもしれません。
言い方次第で、相手のやる気を引き出せたり、安心して取り組めたりもするのです。どう言えば、相手の気持ちに合っているか? 相手のことをよく考えることも大事そうです。
子供ですから、大人よりも、自分の気持ちを言語化する言葉が少ないので、困っている場合もあるのでしょう。 相手の気持ちに寄り添って、相手が喉まで出てきているけど、言葉にならない言葉をフォローすることも、本当に相手を見ようとしたら、見えてくるかもしれません。
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先生のクライアントさんとは、3年くらいセッションをしていて、自身の内面を見つめる日もあれば、指導についての話も深めてきました。
最初の方は、「相手は視覚タイプだから、こう言うと伝わりやすい」というように、相手の優位感覚別に分けて、理解するという方法をアドバイスしたことがありました。
今思えば、それは、頭で考えて分ける方法を知ったにすぎなかったのかもしれません。そこを経由して、今度は「相手に寄り添う」へ。そのほうが、心の目を使うので難しいですが、本質なのでしょう。
今日はこちらの質問はいかがでしょうか?
相手のことを心の目で見ていますか?
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