受け取り下手になっているとき、流れが止まりやすくなる。

 リピーターのお客様で半年ぶりのセッションでした。久々に聞く声は、元気そうです。「なんか、声が元気そうですね」と聞くと、理由が返ってきました。
 「これからの仕事のこと」と、申し込みフォームにテーマが書いてあったのですが、コーチングに申し込んだ直後に、面接を受けていた会社から、採用の連絡があったそうです。なかなか連絡が来ないから、落ちていたと思っていたそうです。
 次の転職先は、自分の希望をしっかりと伝えたので、ダメだったのかな? と思っていたとのこと。なので、そこに採用されたことで、ひと安心といったところでした。

 ということで、テーマは急きょ変更です。なんとなく話していきながら、これからのテーマを見つけていくセッションとなりました。

 新しい職場に決まったことで、時間的ゆとりを、これまでよりも持てそうとのことでした。
そこで、どんな風に時間を過ごしたいか? お聞きしたところ、子供との時間、友達との時間、パートナーとの時間を取りたいとおっしゃっていました。

 今は、営業の仕事で、アポイントがとれなければ、辞めさせられるというプレッシャーの中、表彰を受けたり、全然ダメな日もあったりで、アップダウンも激しいながらも努力して続けてこられたようでした。私もたまのセッションでお聞きしていたので、クライアントさんの奮闘ぶりを知っています。コーチングのあとは、いい案件を取れるサイクルにいつも入れるとおっしゃっていました。

 最近、プライベートで不安なことがあって、気持ちが落ち込みながら、仕事をすることは、相当しんどい状態になったそうでした。そんな中、「できると思っていたけれど、できないことがある」と認めることも大事だと感じたようです。そして、転職をしようと決心したとか。

 次に、新しい職場の話になっていきました。
 大抵、新しい仕事を始める時は、慣れるのに3ヶ月くらいかかるけれど、そのあとは努力するので、結果へ繋げていく自信はあるとおっしゃっていました。私も何回かセッションをさせていただいて、負けず嫌いな性格が、お仕事にいいふうに反映されているのを知っています。
 ただ、初めての職場に慣れるのに3ヶ月かかるということなので、「慣れるのに3ヶ月くらいかかってしまいます…」と、前もって上司に伝えたら、クライアントさんも楽になれるかなと思って、そんな風に言ったらどうかと提案してみました。

 すると、「そんな風に言ってもいいんですね」と、おっしゃいました。そこから、普段から、あまり自分の気持ちを伝えないことが多いという話になっていきました。

 「確かに、上司の立場からしたら、『あの人はどんな人なんだろう?』、『どう教えたら覚えてくれるかな?』と、考えますよね。だったら、言ってもらっておいた方が、安心しますね」とクライアントさんも、相手の立場から考えたら、そうか、と思えたようでした。

 普段は、聞いてくれたら言うけれど、思ったことを言っていいのかわからないから、相手はどう思っているか推測してしまうそうです。
 もし、言っていい場だとか、相手がオープンな人ならば、この人には言ってもいいんだと思って、伝えられるそうです。

 「聞けばいいし、言えばいいですね」と私が言うと、「思ったことを言えている関係性のほうが、相手から面白いと言われたり、素でいると仲良くなれることが多いですね。ママ友が苦手と言う話を、前にしていたと思うのですが、苦手になっているときは、まともなふりをしたり、テンポの遅い子はいけないのかなと、自分を責めてしまったり、周りから冷めた目で見られるのが悲しいから、素の自分を出さないようにしていました。だから、苦手だったんですね」と段々と気づいていかれました。

 「でも」とクライアントさんが言いました。「言ったほうがいいと分かっても、きっと言えないだろうと思うのです。無駄にプライドが高いし、恥ずかしい思いがありますね。変に思われるのが屈辱だったりして」

 年末頃に、悩みがあり、今は解決しているそうなのですが、悩みを持っていた時は、1人で抱えていて、誰にも相談しなかったそうです。あとから事後報告をすると、「言ってくれたらよかったのに」と周りに言われたとか。困ったことを言えない自分についての話になっていきました。

「困ったと言わないということは、相手の優しさを受け取れないってことですよ。こちらが困ることで、相手の優しさを引き出せるんですよ」

「そうか。私、受け取り下手かもしれません。受け取ったとしても、お返しを考えたりして、すぐに手から放してしまいます」

「受け取ったら、味わって、喜んで、ありがたみを感じられるといいですよね。受け取る人が、無邪気に喜んでくれたら、またなんかしてあげたくなりますよね。受け取り上手だと、相手も喜びますよ」

「私の場合、『何かあったら言ってね』と言われると、『大丈夫です』と即答していました。(笑)」

「なるほど。それだけだと自分の返事のみですね。相手が言ってくれたことを受け取り、自分の返事ができると、相手も言ってよかったなと思えますよね。例えば、『お気持ちありがとう。大丈夫だといいんだけどね』とか」

「そうですね。相手の立場の方がちゃんと見えていなかったみたいです。母親や会社でお菓子を頂いた時は、喜んで受け取れるんですけどね。いつも、そんな風に相手の言ってくれたこと、やってくれたことを見て、喜んで受け取ればいいんですね」

「そうですね。『大丈夫です』って言うと、一気にクローズした感じになってしまうので、自分をオープンにしておくことで、受け取れることも色々増えてきますよ。豊かになるには、受け取ることしかないと」

「最近、止まっているな~と思っていたんですよね。これからは、オープンで、受け取っていいきたいです。なんかそのほうが、楽しくなりそうですね~」

「そうですよね。コーチングを申し込んだことでオープンになったのでしょうね。そのタイミングで採用のお知らせが来たから。すでにオープンになり始めているのかもしれませんね」

 ということで、クライアントさんの今後のテーマが、「受け取る」になりました。
新しい職場の話をしていたときに、「自分のことをあまり言わない」と言うことが見えてきて、そのあと、人の好意をすぐに「大丈夫です」と返答していたことから、「受け取り下手」が浮き上がってきたのは、興味深い展開になりました。

 二つの共通点は、「相手のことが見えていない」と言うことです。
相手のことを見ようと、心の目を働かせることができれば、コミュニケーションのあらゆる問題は、解決に結びつくように思います。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

受け取っていますか? 


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2013年3月23日(土)春コミコレクション
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