前進、発展を阻む、心のブレーキは何か?

 いつも特にテーマを決めずに、気になることから話すスタンスで取り組んでいるクライアントさんとのセッションで、こんな話から始まりました。
 
 「他人事の人とか、他人任せの人とか、自分ばかりの人とか、それでいいのか? って思いますよね…」とお話しされていました。
 自分が気になるということは、自分の中に何か要素があるからです。自分を他人に投影しているという視点で考えてみると、「他人に怒りを感じるということは、何か怒っていることが自分の中にもある」とか、「自分を責めている」とも言えるでしょう。今回は、その視点から考察を始めました。

 ちなみに、「自分のことを愛しています」と言えるかどうかと、尋ねてみると、「違和感がある」とのことでした。やはり、どこか自分のことを認められていないようです。

 「自分のことを責めているのか?」について考えていきながら、「今の自分の成功を信じられていない?」ということかなと、私は感じました。
 そう投げかけてみると、「周りからすごいと言われるけれど、自分が自分の成功を信じられていないというのは、確かにありますね」と返ってきました。
 私から見ても、お客さんがひっきりなし状態であり、既に確立されたものがある方です。しかし、ご本人は、周りが思うセルフイメージが追い付いていないというか、そんなふうに思ったのです。


 周りから見ると既に成功しているのに、なぜ、本人だけはそこを認められないのでしょうか? 自分の成功を認められていないということは、次の発展へ進むことを阻む、心のブレーキになっているのかもしれません。

「なぜ、まだ自分のなかでは、成功していないことになっているのか?」と訊いてみると、こんな話が引き出されました。

「まだ、日本○○会には、敵わないんですよ」
おっと、出てきました「怒り」。

 そう言えば、何度かセッションをしているなかでも、よく話されていたことなのに、今回「怒り」がそこにあることに、私も初めて気づきました。

 そして、「日本」という言葉。最近、私の中でも「日本」だけでなく、「世界」を考えるようになったら、急に視界が広がりました。いろいろ挑戦してみようと、フリーダムな感じになるのです。そして、クライアントさんに、感じたことを伝えました。

 「日本と考えるからストレスなんですよ。世界の中の○○。その立ち位置で物事を考えて行くとどうでしょうか? そもそも、○○さんのされていることって、海外から来たことですよね。はじめからそっちへ行ったというのも、そもそも世界から物事を見ていたってことじゃないですか? 体格も、もともと世界サイズですしね(笑)」

 「わっ、ちっちゃかったなぁ」とクライアントさんは言いながら、苦笑い。
 すかさず、「ほんと、ちっちゃいですねぇ」とはっきり言わせてもらいました。(笑)

 ここで「怒り」の対象物は、シャボン玉がわれるかの如く消えさりました。
 そして、もう一度戻りました。「自分の成功を認められていない?」ことについてです。

 クライアントさんと私の課題がシンクロすることが多いのですが、私の場合、昔の自分のセルフイメージが、追いついていなかったのです。うまく自分を発揮できなかった大学生までの自分は、今の自分の発展をあまり信じきれていなかったのです。

 しかし、花が咲き始めたということは、きっと子供時代から「創造すること」の芽を持っていた自分であると、気づいてあげることができました。
 9月に行った、奈良の「天河神社」で買った、「諸芸上達御守」は、子供の私が一番欲しかった御守りだったと気づいたのです。そのおかげで、子供がかかる、手足口病になってしまったのかと思っているほどです。(笑)

 それから、今の自分にふさわしいものだけにする行動を、自然と取り始めました。いわゆる断捨離です。これまでも捨てることを繰り返してきましたが、今、最後のレモン汁を絞り終えるくらい、もう、捨てられるもがない…に近付きつつあります。
 そうして気付いたことは、今の自分が本当に価値のあると思うのだけにするという尺度になったことで、物は、基本的に値段がついているものですが、値段という尺度が消えたのです。何か欲しいなというよりも、自分が価値があると思える少ない中で十分に幸せな気持ちになる、と思えるようになりました。

 そんな話をクライアントさんにすると、「成功=高価なものを手に入れる。 というイメージがありましたね。手に入れたいものが手に入っていないということも、自分を責める原因になっていました」とおっしゃいました。
 自分が本当に必要だと思うものだけで暮らす。そう考えると、高価なものを手に入れることが成功というイメージは手放せるように思います。クライアントさんの怒りの対象が、また消えました。


 クライアントさんは、「たくさんお客さんが来ている」ということは、既に成功していますが、その先の発展について、行動しては、失敗を繰り返していらっしゃいました。きっと、「成功=何かを手に入れる」のイメージだったからかもしれませんし、「日本○○会に、対抗するためのこと」を考えていたからかもしれません。

 自分の行く手を阻んでいた心のブロックは、怒りから「こうするんだ!」という発想が湧いていたり、「成功=何かを手に入れること」に固執して、そこに未だになれない自分を責めていたことでした。

 今回のイメージの書き換えは、大きなターニングポイントとなりそうです。心のブロックが外れたことで、志からでてくるような発想が湧いてくるのではないかと、私も願っています。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

なぜ、そこにイライラするのでしょうか?