計画通りに行かないと気が済まないことが、ゆとりをなくしていた。

 自宅でお子さん対象に音楽の教室をされているクライアントさんとのセッションでした。
 師匠に「今年はゆったりとした気持ちで過ごせるといいね」と言われ、ご自身もちょうどお正月の出来事から、そんなことを感じていたところだったようです。今年のお正月は、いつもよりも、姪っ子と遊ぶ時間に集中できたのだそうです。これまでなら、そんな時間も「あれやらなくちゃ、これやらなくちゃ」で、遊んであげることに集中できない自分がいたとのことでした。

 そこで改めて、「何もしなくてもいい時間にゆっくり過ごすことができない」ことについて考えてみたいとのことでした。
 子供の頃に、急かされる光景が近くにあったのかなと思って聴いてみると、母親が時間を気にするタイプで、すごく忙しくてもきっちりやるようなところがあり、他の人ができていないと、相手にイライラしていたそうです。
 しかし、今ではそんな母親も「せかせかするところじゃなかったわ」と、言っているとか。クライアントさんは、母親のことをせかせかしているなと思っていたのに、自分もわりとゆっくりと出来ないタイプに知らず知らずになっていたようです。

 これは、私も思い当たる節あるなと思いながら聴いていました。例えば、旅行へ行くとき、1日で周るところを計画どおりに全て周りきらないと、夜にひどく後悔しているんです。(笑)結局、自分で計画を立てて、自分で自分を責めているという悪循環になっていました。

 そんな話をすると、クライアントさんも同じ感じでした。計画通りに行かないと気が済まないのだそうです。例えば、1つのレッスンの中でやらせようと思うことが多く、いろいろやせようと思ってできないと自分ががっかりとか。それに気づくと、「自分で自分のことがっかりしていたんですね」と笑っていました。

 今は、何を教えようかと計画を立てるけど、余裕を持てていないということです。そのことによる盲点があるとしたら、それ以外のイレギュラーなことに気づかないことがあるかもしれません。
 例えば、私がボイトレのレッスンで、「今日は、腹式呼吸をやりましょう」と言ってレッスンを始めたとしたら、それ以外に改善するところが見つかったとしても、それは後でね、となって、レッスンを受ける側も満足度が低くなりそうです。1対1のレッスンの場合、もう少しライブ感覚なゆとりを持つとどうでしょうか?

 今、クライアントさんが準備としていることは、「今日のレッスンでどこをやるか?」ですが、それを「前回のことを確認しておいて、レッスンに臨むという準備」に変えるとどうでしょうか? レッスンが終わった後に、次の課題が出てくる感じになりそうです。そして、生徒はそこを踏まえて練習するでしょう。

 私が行っている英会話スクールでは、次のレッスンとその次のレッスンの間が5分しかありません。なので、インストラクターによっては、私を5時28分に終わらせて、次の生徒を5時30分から「Hi! How are you?」なんてやっているのです! しかし、外国人、みんなすごい余裕。(笑)
 それは、フィードバックシートがあるからだと思います。私もコーチングで、セッション準備シートを事前に提出していただきますが、それは、セッションが始まる前にさっと目を通しているだけで、それよりも、前回のことを確認しつつ、今日の話題に入ることにしているので、どちらかと言うと、終わった後のフィードバック重視です。
 フィードバックシートを返信していなかったころは、余裕がないと感じていました。実際に、大きな失敗をしてしまったのです。絶対あってはいけないことです。前回のセッションのメモをなくしてしまったのです。そして、クライアントさんから、「プロ失格だ。今日で終わりにする」とはっきりお叱りを受けたことがありました。
 それから、フィードバックシートを義務付け、ブログでのまとめをすることで、私の潜在意識にクライアントさんとのやり取りを覚えさせるようにし、予習は軽くするだけで、スタートさせることでよくなったのです。

 流れに身を任せるとこができるようになると、余裕ができてきました。
つまり、計画を立てると言うよりも、前回を踏まえる感じということです。そして、それこそ大切なことで、前回の確認をすることが、相手への承認にもつながるのです。

 そのために、毎回何をしておくか? について考えてみました。クライアントさんは、こんなことを話していました。
 「楽譜に3つの注意点を書く。一緒にポイントを書く。フセンに書く」ということです。そうすることで、次回のレッスンにつながる準備にもなり、レッスンが始まる前のそわそわ感も減るでしょう。

 昨日の記事のクライアントさんが、うまいことを言ったな~と私は感心してしまったのですが、こんなことを言っていました。「恥じらいを隠すための時間がなくなって、フリータイムになった」と。それを、今回のクライアントさんに伝えると、「うん。なんかそれわかる気がします!」とおっしゃっていました。
 「うまくいかなかったら恥ずかしい」「完璧にこなさないと」「何が何でも達成しないと」。そのために時間を割いていたことが、どれほど多かったか。そこがなくなったら、フリータイムが沢山になってしまったとのことです。

 クライアントさんが言いました。「へんにピリピリしなくなりますね。こちらが何とかしなくちゃ、となっていると子供に伝わって、そういうときに限って『もう疲れた』とか、『やりたくない』と子供に言われることがあるんですよ」と。大人は、きっと黙って去っていくでしょうけど…、子供は率直ですね。

 また、ある意味子供は単純です。教え方がうまいなと思う人は、持っていきかたがうまかったりするんです。その先生や上司の時だけ、妙にはりきって、結果も出してしまえたり。そうやって、うまく騙されながら、(笑)巻き込まれていったものです。

 準備する側の余裕は、予習よりもまとめにかかっているのではないかと、そんな見解になりました。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

ゆとりを持つために、どうしますか?


★★★★★ Information

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  堀口ひとみSEMINAR 2014 第1回テーマ: 伝え方
  2014年1月25日(土)渋谷 13:15会場[13:30~18:00]
 ★特典 45分単発セッション付き (お好きな時にお使い頂けます)
  → ご案内 http://pearl-plus.me/seminar/kouza.php
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  堀口ひとみ&播磨弘晃 第21回冬コミ ~ セレンディピティ
  2014年2月15日(土)渋谷 13:15会場[13:30~18:00]
  ★特典 30分単発セッション付き (お好きな時にお使い頂けます)
  → ご案内 http://pearl-plus.me/seminar/komikore.php
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━