前任者のように自分はできるのか不安。どうしたら気持ちを軽くできるのか。

 昨日の記事のクライアントさんは、もう一つのテーマも扱いました。8月より高校の選択授業で日本語を教えることになったようです。今までは少人数のなかで大人に教えた経験があるそうですが、子供には初めてのこと。前任の先生がベテランで、日本文化も多岐にわたり授業に取り入れられていて、そういうことをしなくてはいけないのかと頭を抱えてしまっているそうです。限られた時間でちゃんと準備ができるのか。どうしたら気持ちを軽くできるのか考えたいということでした。

 実際に授業の見学もしてみたところ、先生の投げかけにも反応が薄いのを目撃したそうです。先生たちとも話したようですが、ネガティブな評判しか、クライアントさんは聞けなかったようでした。
 例えば、会社の中で異動をするときも、困ったスタッフがいるとか、なぜかネガティブな評判を言われることのほうが少なくありません。逆にネガティブな評判を聞くほど、やりがいを感じてしまうという人のほうが、結果的にうまくいきそうな気もします。
 評判は参考程度にして、自分としては楽しい授業を展開することに意識を向けることでいいのだと思います。映画の中で問題のあるクラスに熱血先生がやってきて、感動的なクラスにする話だってあるのです。自分のやり方次第できっとできるでしょう。

 実際にどんな授業にしていくか? 考えていくことにしました。
 クライアントさんも語学学習者であるということは、生徒さんと同じ立場です。自分が教えてもらって何が楽しいか? を考えて授業の題材を考えることは難しくないのではないかと思います。

 また、「日本語のクラス」ということで、お茶、生け花など、日本文化を教える先生もいたそうですが、実際に多くの日本人がそれに取り組んでいるかと言うとそうでもないもの。そこに人生経験の少ない高校生が感動をするというのはちょっと難しいかもしれません。「日本文化を紹介しなくてはいけない」とクライアントさんも少し思いすぎていたみたいでした。囚われを外して考えてみましょう。

 例えば、「日本語で歌を歌う」というのはどうでしょう。ディズニー映画『アナと雪の女王』の『Let It Go!』は、25カ国語に翻訳されヒット中ですから、取り入れやすそうです。また、歌とともに日本語も覚えることも可能です。もし、彼らが日本に来たとき、カラオケで日本人にも披露できるかもしれません。

 ところで、先生と生徒との出会いとは、そもそもどういったもなのか? も考えてみました。

 出会い、時を共にして、そして別れの時を迎える。たった1年の関係性ですが、先生によっては印象的な人もいて、「あの先生、こんなことしてくれたよね、楽しかったね」と何年後かに懐かしく回想し、ノスタルジックになることもあります。また、将来の自分について、先生から影響を受けることも大いにある関係性です。
 つまり、何年後かに「いいクラスだったね」と心に残る授業にするにはどうしたらいいのだろう? と考えてみるのです。

 私の中で小学校2年生の担任の先生が、とても印象的です。毎朝、みんなで歌を歌う習慣がありました。3学期の最後の日に先生が、全曲を歌集の冊子にしたものと、カセットテープを全員に配布してくれたのです。私は子供ながらに感動し、自分もそういう人になりたいと思いました。実際に影響されていると思います。

「生徒たちと絆をつくること、そのために何ができるのか?」
「心に残る授業とはなにか?」
そんな問いを持ってみると、色々とやることが見つかりそうです。

 クライアントさんもイメージがついてきたようで、6月に日本に一時帰国をするというので、授業のためのツールを日本で色々選びたいとおっしゃいました。楽しい1年になるといいですよね。

★ちなみにドイツ語の『Let It Go』
舌がまわらなさそう!(笑)



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