わかりやすい、いいところは見える。それだけだからモヤモヤしていた。

 90日コーチング3回目くらいのリピーターのお客様で、2年弱ぶりのセッションでした。アパレルで店長をされていらっしゃる方で、これまでは、セッションを通して、結果も出されてきました。今回ご依頼いただいたのは、「もやもやしてます」とのことで、今までの「セールスアップしたい!」とは違ったお悩みでした。一体、何がもやもやの根源なのでしょうか?現状からお聞きしていきました。

 セールスは前年比も越えていて、悪くはないとのこと。だけれども、毎日が淡々としていて、店長として慣れ過ぎてしまったようです。頑張っている感じがしない、と別の表現でもおっしゃいました。
 以前のお店では、自分が動かせている感があり、スタッフの人たちも、期待以上にいい仕事をしてくれていたそうです。なんだか今は、店長歴が長くなってしまった分、新人、2年目のスタッフの気持ちがわからなくなってしまって、その分を副店長に救われているとか。

以下、対話で振り返ります。(私から)

「普段、スタッフの人とどんな会話をしてますか?日常会話とか接客のこととか?」

「普通に話しはしています。だけど、接客の話をするとき、否定的になりがちですね」

「なるほど。褒めていなさそうですね…」

「はい、全く褒めてないです。今気づきました(汗)」

「それって、褒めるところが見つからないということ?」

「はい、前の店は思っている以上のことをしてくれて、
褒める機会が沢山あったんですけど。あ、前と比べてる…」

「○○さんから見て褒めるところがないスタッフなのに、
サブには救われているというのは、
サブは、この店でとても成長できているってことですね」

「サブが成長してくれているけれど、私はきついです」

「なるほど。サブには見えているところが何かあるんでしょうね」

「私にとっては、やる気はあるけど、からまわりしているようにしかみえないんですよ」

「○○さんから見たら、空回りしているように見えるけれど、
本人は1歩前進したかもしれないですよね。
新人と2年目の人と同じ目線に立って見てあげたら、
1歩前進したところが見つかるかもしれませんよ。
つまり、相手の目線に切りかえられる視点が必要なのかもしれませんね」

「そうですね。私は出来て当たり前のことを求めていて、理想のレベルが高いんだと思います」

「褒めること、ねぎらうことはできるけれど、
ありのままを承認することは、見えていないのかもしれませんね。
となると、評価するという対象とは程遠い子供とは間が持たないんでは?」

「はい。甥っ子がいますが、1時間でギブアップです(笑)」

「やっぱり。(笑)」

「4歳の子は理屈っぽいんですよ~」

「物事を細かく見られるという強みでもりますよね」

「あ、そうですね。1歳の子は愛嬌があってかわいいんです!」

「わかりやすい、いいところは見えるってわけですね(笑)」

「そうか。(笑)ここに来て生きにくさを感じているんです、私!」

「30を目前に、生きにくさを感じてしまいましたか(笑)
今までは、出来ていないところを改善するようなセッションでしたけど、
今は、淡々とした毎日の中で、発見できる視点を持てるようになることが課題ですね。
これも成長しているということで、次への成長が見えましたね」

「そうですね。悩みが変わりましたね」

「ニュートラルな観点を身につけることですよ。
ニュートラルな眼鏡で見ると、今までとは違ったところが見えてくるんです。
見えることが変われば、言葉も変わりますから、
自分の発する言葉が変われば、自分も周りも幸せな雰囲気になりますよ~」

「あ…私、白黒はっきりしていて、飲み会でさえもネガティブにとりますね。
最近の口癖が『それはないわ』です。嫌いな人が増えていますね…」

 セッションでは、普段のクライアントさんの発する言葉について、客観視できるような投げかけをしていきました。自分のことが客観視できれば、もやもやから1歩抜けたようなものです。久々の90日コーチングでしたので、特典にしている本のプレゼントをすることになりました。
 私は迷いなく、『星の王子さま』を選びました。すると、「私、欲しいと思っていたんですよ!」とクライアントさんの心はすでに、気づいていたかのようでした。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分の物事の見方について、どう思いますか?