断れない人は、言い聞かせて頑張ろうとしてストレスになる。

 独立していると、仕事の値段も自分でつけますし、依頼された仕事に対して、断ることもできる自由があります。しかし、独立して4年目くらいの方のセッションで、「断る」ことがどうしても苦手でお困りでした。

仕事を整理するべきなのか、それとも、「これを乗り越えれば、次につながる!!」と、自分に強く言い聞かせながらモチベーション維持のほうに努めるべきなのか、悩んでいます、と最初のセッションでおっしゃっていました。

自分に強く言い聞かせてモチベーションを維持することは大変ですよね。
私は、言い聞かせるよりも、自分の基準をただ決めることが大事だと思っています。

4年間は、依頼された仕事をすべて受け入れていたそうです。割に合わないと感じても、内容的にちょっと、と思ってもです。そのため、ストレスを抱えて、段々と疲弊して、これから先の自分はどうなりたいのか?よくわからなくなっていました。

確かに、独立して軌道に乗るまでは、色々と不安もあって、断ったことで次の仕事が来なかったらどうしようとか、収入が入らない月が出てしまったらどうしようとか、何かと不安です。断れない性格の方だと特に大変です。

毎回のセッションで話しあい、受け入れるときと断るときの基準を決めることで、段々と「自分の気持ちに素直に決める」ことができ出しており、これからの自分の進みたい方向性もクリアになってきました。断ることが初めてできた日、ものすごく爽快だったそうです。


 断れない性格の人は、相手に嫌われたらどうしようとか、相手に悪いかなとか、決定の基準が常に相手であることに、自分で気づいていらっしゃいません。いい人を演じている自分に気付いていないのです。

なので、私が、「こんなルールを作ればいいんですよ」と提案すると、「あ、そうか!」と毎回びっくりされています。

そのルールは、自分を大切にするためのルールです。
自分の価値は自分で守るのです。

 例えば、仕事に対して値段が低く見積もられた場合は、「一律こちらの料金にしております。イレギュラーになると、正規で依頼してくださる方にもご迷惑になるので」とこちらのラインを明確にするのです。それ以下ならば、引き受けない。引き受けてしまうと、自分の価値を自分で下げてしまうことになり、後から「受けなければよかった」と後悔しがちだからです。相手の注文というよりも、自分が自分の価値を下げた気がすることがストレスです。

また、お友達に依頼された時はどうするか?というルールも決めておくと分かりやすいです。
私の友達で、私にコーチングを頼む人は、なぜかいまのところ一人しかいませんが。(笑)
その友達は、私をプロとみてくれているので、支払いたいそうなのです。なので、その友達には、友達価格ということで提供します。

仕事を引き受けるラインを決めて、それ以下になってしまったら断る。
そうやって、自分の価値を自分で守り、さらに高めて行くことが、自分を大切にすることになると思います。自分のやりたいことも、まとまっていくのではないでしょうか。


 最初は、「いろいろと経験したいから、何でも引き受けてみる」。そう決めているのならば、どんどんやってみればいいと思います。「決まっている」ことが大事です。「相手に頼まれたからする」という時期を経てからは、きっと自分のやりたい仕事、自分らしい仕事が分かってくると思うので、そうしたら、「これはやる、これはやらない」と相手にも明確に打ち出すことは失礼でも何でもありません。相手は、それに合わなければ、合う人を別に探すものです。

 相手を基準にせず、自分の気持ちに耳を傾けて、「やりたもの、打ち込みたいもの」を選んでいくことで、深まるし、もっと自分らしく、楽しく、喜ばれることがいっぱいになるのだと思います。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分の価値って何ですか?