「何でも引き受ける」から、「自分の本当にやりたいものを引き受ける」に移行していくのには、どう考え方を整理して行けばいいのでしょうか?

 独立して仕事をしていると、自分で仕事を選ぶことができます。何でも仕事を引き受けすぎて、疲弊しているということで、仕事の選び方を整理するために、コーチングでを利用されているクライアントさんです。独立してからの4年間は、依頼されたお仕事を断らずに、大体受けており、あとから値段や内容について受けなければよかったかもと、後悔してしまうこともあるそうです。今後、どのように考えていけばいいのか、悩んでいるご様子でした。

 仕事がどんどん来るというのは、本当に素晴らしいことです。だけど、実はあまりやりたくなかったものまで引き受けていたら、忙しくはなるけれど、目の前の仕事に追われている状況です。おそらく、潜在意識では「自分らしい仕事」を見付けたいと思っていらっしゃるから、コーチングを依頼されたのでしょう。

 「何でも引き受ける」から、「自分の本当にやりたいものを引き受ける」に移行していくのには、どう考え方を整理して行けばいいのでしょうか?

 セッションの最初のほうでは、「断る」ことについて考えていきました。自分の中で断るラインを決めておいて、それに合わなければ「断る」という分かりやすいルールを設定しました。「相手に悪いかな」というところで決めるのではなく、「自分が本当に楽しめるか?」で決めて、自分のことを大事にしていく方向で考えて行きました。

 段々と仕事を整理することもできてきて、ランチタイムをゆっくり過ごす余裕もできてきたそうです。しかし、仕事を選び始めた「過渡期」なので、たまに迷って、余計な労力だったかなと、あとからしんどくなることもしばしばあると、引き続き悩んでいました。

 「目先のことに追われて、もうこの仕事で最後なんじゃないか?っていつも思ってしまうんです」とおっしゃっていました。セッションをしていて初めて囚われている考え方がでてきました。どう考えても、「最後の仕事になる」確率の方が私は低いと思いました。これまで、一生懸命仕事をされてきて、実績もある人です。目先のことに追われて、仕事をジャンジャン入れてしまったら、「本当にやりたいこと」が入ってくる余白がありません。


 この前、クライアントさんからいいことを聞きました。
私が、「自分のひとみずむは、書かないことにしました」と言ったら、「宇宙は空間を嫌うので、空間ができたらそこに何かを入れようとするから受取れるのです」とお返事が。
どこかの本で読んだことがありましたが、確かにそうかもしれない、と再復習です。
「書かない」と決めてから、構成のアイデアがどんどん思いつくのです。自分のやりたい方向性が浮き彫りになってきたというか。


 そこから、「余白」と言えば、クローゼットの中の要らない服を片すという話になっていきました。クライアントさんが、断捨離の本を10冊くらい持っていると、おっしゃっていました。1か月に1度整理をしてはいるようなのですが、段々と物が増えて行き、そして、また断捨離本を買うを繰り返して、10冊になってしまったと!

 「どんなものが溢れてしまうのか?」とお聞きすると、「これ買っておいた方がいいかも」という選び方で、必要なもの1つでいいのに、予備がいくつも増えていたのです。
「もしかしたら要るかも」とか「まあ、買っておいてもいいかな」という選び方では、確かに増えていってしまいます。ストレスもあって、そのような選び方になっているのかもしれません。衣食住に関しては、「選んでいるだけ」という日も結構楽しいものですね。物で溢れている日本では、「え?こんなのもあるの?」と街が美術館のように思えることもあります。(大げさ?笑)


 普段の生活での「選択」の仕方とお仕事の「選択」の仕方が似ていることが浮き彫りになりました。自分の考え方というのは、「部屋」を見れば、如実に現れるものですね。

 お仕事も軌道にのっていらっしゃいますし、今こそ「吟味」することが可能になったのだと思います。「余白を空ければ入ってくる」ことも信じながら、自分が心から楽しい、相手の役に立って嬉しい!というお仕事に巡り合えるようになって行きそうです。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分の「選択」はどのように行われていますか?