習慣のシンフォニー Epi.19| 〜カランレッスン1年間の軌跡 - Stage5からStage12まで完走した体験記〜

壁を越え、常識を超えながら、2倍速で未来へ進む。



2年ぶりの再挑戦、そして新たな出発

2021年2月、コロナ禍で時間ができた私は、ふと思い立ってオンライン英会話を再開することにしました。前回は2018年末まで2年間、毎日泣きながらカランレッスンに取り組み、Stage8まで到達したものの、アレルギー性鼻炎も重なり、なんとなく途中で挫折してしまった苦い経験があります。

「今度こそは」という思いで、心機一転、新しいオンラインスクールの無料体験レッスンを片っ端から受けることにしました。前回はフィリピンの先生のみでしたが、今回選んだスクールには世界各国の先生がいて、国際的なコミュニケーションを楽しめるのも魅力でした。

レベルチェックの結果は「Stage5」からの再スタート。以前のStage8から3レベルダウンでしたが、「まあ、こんなものだろう」と素直に受け入れました。2年のブランクは思ったほどなくて、ホッとしました。


脳の回路が錆びついた状態からの出発

しかし、久しぶりのカランレッスンは、想像以上に厳しいものでした。先生の言っていることはクリアに理解できるのに、それをリピートしようとすると頭が真っ白になってしまうのです。まるで脳の回路が錆びついているような感覚でした。

先生によってレッスンのスタイルが異なることにも戸惑いました。こちらが話すのを待ってくれる先生もいれば、シャドーイングを求めてくる先生もいて、「やりにくい!」と感じることもありました。でも、これこそが私の脳が求めていた刺激だったのです。脳内がパニックになるような状況こそが、眠っていた英語回路を呼び覚ますために必要だったのかもしれません。


毎日25分の積み重ねが生んだ奇跡

カランレッスンの魅力は、なんといってもその効率性にあります。毎日25分という短時間でありながら、前回の復習から入るため、別途復習時間を取る必要がありません。予習も歯磨きをしながら音声を聞き流すだけで十分でした。

私は朝9時30分から10時頃にレッスンを予約し、毎日継続することを心がけました。「頑張りたくない」性格の私にとって、「毎日少しずつ続けていれば、そのうちレベルアップするだろう」という考え方がぴったりでした。

結果として、わずか4ヶ月でStage5から8まで駆け抜けました。以前取り組んでいたときと比べても、自分でも驚くほどのスピードです。なぜ、こんなに早く進めたのか?

理由はシンプルです。まるでロボットのように、ほとんどミスをしなかったから。繰り返すうちに回路が整い、反射的に言葉が出てくるようになっていたのです。

そして、先生のひと言も印象的でした。「うちのカランレッスンは、“チル”だからね。」緊張感よりも安心感。プレッシャーではなく、心地よいテンポ。その環境だからこそ、ドーパミンが途切れず、私は楽しみながら加速していけたのだと思います。


予想外の副作用:脳の処理速度が向上

継続147日目を迎えた頃、思わぬ副作用に気づきました。YouTubeの動画が遅く感じるようになったのです。以前は等倍速で見ていたのに、気がつけば1.75倍速、そして2倍速でも内容がしっかり頭に入ってくるようになっていました。

カランレッスンの高速英語に慣れた結果、脳の処理速度そのものが向上していたのです。知人からは「話し方がアナライザーっぽくなった」と言われるほど、日本語での表現力まで向上していました


Stage8から12へ:未知の領域への挑戦

Stage8(英検2級から準1級レベル)に到達した時、新たな課題に直面しました。リスニング力は格段に向上したのに、スピーキング力は「中学生レベル」のままだったのです。「英語で聞いて英語で理解する」ことはできても、「英語で考えて英語で話す」のではなく、相変わらず「日本語で考えて英語で話そうとしている」自分がいました。

それでも、Stage9に入る頃には、明らかな変化を感じていました。連続174日目を迎えた時、「ただ続けることでしか上達できないタイプ」の自分を受け入れ、Stage12まで完走することを決意したのです。


学習の動機:未完了をコンプリートしたい気持ち

「英語学習のモチベーションは?」とよく聞かれますが、私の場合は「学生時代の勉強の未完了をコンプリートしたい」という気持ちが一番強かったと思います。せっかく培った下地があるのに、それを活かして発展させないのはもったいない。

実際、新しい単語をほとんど覚えていないにも関わらず、学生時代の記憶だけでテキストの内容は理解できていました。子供の頃に覚えたものは長期記憶として保存されているのだと実感しました。動詞の活用まで、リズムよく覚えているのには自分でも驚きました。過去の自分に感謝しつつ、カランレッスンはスムーズに進んで行きました。


ついに最終ステージ12へ到達

2021年12月、ついに最終Stage12に到達しました。総レッスン時間は130時間。10ヶ月で7冊の教科書を完走したことになります。

一般的には1つのStageを終わらせるのに約40回のレッスン(約17時間)が必要と言われていますが、私の場合は15時間で1冊を終えていました。毎日継続することの威力を改めて実感しました。もし2日に1回のペースだったら、単純計算で2年かかっていたでしょう。


完走の瞬間:満月の日の達成感

2022年2月17日、満月の日にStage12を完全にコンプリートしました。最初から最後まで372レッスン、まさに1年間の軌跡でした。

このレッスンは英語力向上だけでなく、集中力、傾聴力、推測力など、様々な能力を鍛えてくれました。まさに「英語を使った脳トレ」のような感覚でした。精神的にもかなりタフになり、以前よりも集中して物事に取り組めるようになりました。

英語脳への変化:本当に効果はあったのか?

レッスン開始前は「Stage12まで行ったら、本当に英語脳になるのだろうか?」という疑問がありました。実際に体験した結果として、確実に英語脳に近づいたと実感しています。

最近、YouTubeで海外俳優のインタビューを聞いていて、「あ、わかる!」という瞬間が増えてきました。かつての私にとっては大きな目標だったその感覚を、今、実感できるようになったのです。

もちろん、聞き取れても意味がわからない単語もまだまだ多く、これからは語彙力の強化が必要だと感じています。でも、「聞き取れる」ことで、「この単語、どういう意味?」とその場で問いを立てられるようになったことは、とても大きな進歩です。

なんとなくの雰囲気で理解するのとは、まるで違います。英語の一語一語が、音としてクリアに耳に届くようになり、それが脳内にしっかりと“とどまる”感覚が生まれたのです。聞き流すのではなく、言葉が自分の中に留まり、意味を持ちはじめる。この感覚は、私にとってまさに“革命的な進化”でした。


次なる挑戦:Callan for Business

Stage12完走後は、「Callan for Business」に挑戦することにしました。「ビジネスカラン」という名前に最初は「難しそう」と思いましたが、実際には聞いたことのあるビジネス用語が中心で、予想以上に取り組みやすい内容でした。

ビジネス用語をシャドーイングしていると、サラリーマン時代や独立初期のビジネス脳になっていた頃を思い出し、自分の中のビジネスマインドを再評価するような感覚になりました。「私はCEO」という文をシャドーイングしながら、改めて経営者としての自分を認識する機会にもなりました。


最後に:継続は力なり

カランレッスン1年間の旅を振り返ると、「継続は力なり」という言葉の重みを改めて実感します。毎日25分という小さな積み重ねが、確実に大きな変化をもたらしてくれました。

スパルタで有名なカランレッスンも、続けているうちにコンフォートゾーンになりました。最初は汗と涙のレッスンでしたが、最終的には楽しみながら取り組めるようになったのです。

英語学習に悩んでいる方がいらっしゃるなら、完璧を求めすぎず、まずは「毎日少しずつ」を心がけてみてください。脳は思っている以上に可塑性があり、継続することで必ず変化を実感できるはずです。

私の英語脳改造プロジェクトは、まだまだ続きます。次は日常会話でも「すらすら」話せるようになることが目標です。脳の可能性を信じて、引き続き挑戦していきたいと思います。


📚英語版 Midiumにリンク


編集後記|Quiet Creation

カランって、いちいち考えさせないで「聞く→話す」のループなんです。

だから脳が「とりあえず入れて」「とりあえず出して」「あとで意味つけよう」みたいな、“即応性型”に変わっていき、これの副作用として、日本語でも話したことが“音のように”残る脳回路が育つ。

つまり、「話す=記憶」「記憶=回路化」になってる。

ということは、今AI時代になって、ChatGPTと音声会話するときにも、すごく有利なんです。GPTの音声で返答が長くなったときでも、頭の中に保持しておけるから、答えられる。

まるで、「ポストGPT会話脳育成プログラム」。またここでも、あの日の苦労の伏線を回収していたようですね。