劇団四季メソッド『美しい日本語の話し方』感想。

 メルマガ『セッション』を音声配信にしたことで、最近声の見直しが必要と思い始めました。GACKTさんの英語ガク習塾で英語の発音について細かく解説してくださっていることも、「発声」に興味を持った理由です。毎朝の瞑想のあとに、GACKTさんのお口のラジオ体操も日課にしています。以前よりも口が大きく開くようになった気がします。口周りの筋肉が柔らかくなっているというか。軽いのです、そして滑舌がよくなってきたように感じています。

 さらに何か本はないかと探していると、劇団四季メソッド『美しい日本語の話し方』を見つけました。

 なぜ劇団四季のセリフは美しく聞き取りやすいのか―。秘密は、創立60年の歴史が生んだ独自の「母音法」「呼吸法」「フレージング法」というメソッドにある。

 ということで、そのトレーニング方法について書かれています。実際に「母音法」を試してみると、一瞬にして声が明瞭になる体験をしました。

 昨日、小1の甥が音読をZoomをとおして私に聞かせてきたので、ちょっとテクニックを教えてあげると、やはり明瞭になりました。小6の姪も音読を聞かせてくれました。彼女は声を出すことに興味もあるようなので、「母音法」のことを言うと、すでに知っていたようです。そういうサークルに入っていたときにやったのでしょうか。なにしろ、知っているか、知らないか?だけで、声は変わるものですね。

 それから「呼吸法」というのは、腹式呼吸のこと。「アイウエオ イウエオア ウエオアイ エオアウ オアイウエ・・・・」など五十音を様々な手順で読む、実際のトレーニングの仕方について書かれていました。これを劇団四季の人たちはいつもやっているのか!と、プロの努力を知りました。やってみたい人は本を参考にしながらできるでしょう。しかしかなりすごい訓練です。本の通り実践するのは不可能です。(笑)

 最後に「折れ」と呼ばれる聞き取りやすくするための台詞の切りどころを考察する「フレージング法」が紹介されており、これがいちばん興味深かったです。

 セリフを句読点の通りに読むと棒読みなる。句読点というのは、読むときにビジュアル的にわかりやすくするために振ってあるものだからだそうです。

 ではどう読むのか? それはセリフの言葉の背景を想像することです。確かに普段話をするときは、考えながら出てきたフレーズごとに間ができますよね。句読点とは違うところに。だから、セリフ1つ1つについて、分析しなくてはならないのです。だから、劇団四季の発声は聞き取りやすいのだそうです。つまり「観客に聞き取りやすく」ということを第一に考えられている。演技をセリフではなく「感情」を表現するものだと考えるのは勘違いだと、著者ははっきり言っています。

 それでつながりました。私のボイトレの先生が「歌に感情をこめなくていい。それよりも日本語1つ1つをくっきりはっきり歌えば、伝わるから」と。そうするれば言葉が伝わるから、相手に正確に届き、相手に感情が生まれるんでしょうね。改めて、「発音訓練」の重要性を認識しました。努力すべきところはそこなんですね。劇団四季の企業秘密。読んでみてください! 

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