バイアスに気づき、現実を変え、未来を創造する。

 10年来のクライアントさんは、転職後忙しくなり、10カ月ぶりに私のセッションに戻ってきました。

 セッション後、クライアントさんは「自由に話せる場って、なかなかない!」と感想を述べました。ただ自由に話せるだけでなく、クライアントさんにとって、異なる視点からフィードバックや質問を受けることが、さらに価値をもたらしています。

 また、長年の関係ならではのメリットとして、自身のことを一から説明する必要がなく、私がクライアントさんの変遷を理解していることが挙げられます(クライアントさんは自身の変化を忘れがちなのですが、笑)。

 私は、どこからボールが飛んできても、取りこぼすこともありませんし、ジャッジもしませんし、遮断もしません。文脈がおかしくても、話を聴くのに慣れていると、パーツを組み合わせて、私の脳内で言語化し、クライアントさんにフィードバックできるスキルも向上しています。

 私も時間を経たことで、セッションを通じて自身の変化を実感します。10カ月前にはできなかったフィードバックや説明ができるようになり、自然と傾聴スキルが磨かれていったことに気づきました。


 セッションの終盤、クライアントさんは自己課題として「抽象的なことを言語化できるようになりたい」と述べました。これに対して、私は「事実を捉えられると、言語化しやすくなりますよ」と答えました。

 クライアントさんはさらに「事実を見ても、自分のバイアスがかかってから言語化してしまうのかも」と付け加えました。

 つまり、クライアントさんが言葉にするのは、自身のバイアスを介した事実に基づくストーリーであり、それに対する解釈から生まれる誤解が嘘につながっていくのです。私は長年のコーチ経験から、その嘘を見抜くことができます。初期の頃は嘘と本当を見分けるのが難しかったですが。

 私がクライアントさんに提案したのは、「まずバイアスに気づくこと」でした。バイアスに気づけば、事実を見つけ出すことが可能になるでしょう。最初のうちは時間がかかるかもしれませんが、慣れてくれば、事実をすばやく捉え、それに基づいて言語化する速度も向上するはずです。

 セッション中に視点が一瞬で変わった例を一つ挙げます。クライアントさんは転職して1年も経過する前に、2つの部署に異動することになったそうです。その件についてご自身は「自分が合わないから、追い出されたのかも」と感じていました。

 しかし、私はその状況を事実に基づいたものに変えました。「あなたが今、会社のトップの隣に座っているということは、必要とされている証だと思いますよ。トップも嫌な社員を隣に置くわけがありませんからね(笑)」と。

 クライアントさんは「そうだったのか!」と納得したようでした。周りとの波長が合わなくなり、最終的にトップの隣に座るという、素晴らしい経験をされていますね。

 わずか60分で現実は変わりました。そしてその変化から新たな未来を創造する可能性が広がりました。

 

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