やりつくした感があるときの突破口は?

 にっちもさっちもいかず、やりつくした感があるときは、本当にどうしたらいいのか?と、いつも一生懸命な人は、悩むような気がしています。

 あるセッションで、「もうすでにいろいろやっているように感じましたけどね」と私もフィードバックしてしまったほど、お話しを聞いていると、どこに突破口があるのか、私もさっぱり分からない状態になりました。でも、突破したいと相手は思っている状態。

 相手は、突破することを切望している、と確認できたところから、相手の中にアイデアがないと私が気付き、セッションが別の方向へ進んでいきました。別の方向というのは、私がずっと話している状態です。(笑)

 本当にアプローチがわからないことって、私も経験しています。
私が行き詰ったことは、この人生で大きいものを考えると3回あります。

 行き詰まるというのは、失敗する、とまた違ったところにあって、歩みが続いている中で、前に進みたいのに、「開通まであと○○日!」みたいな看板が目の前に立ちはだかっている状態でしょうか。(笑)

「なんか、突破したらすごくいい景色が見えそうな…!」。
このモヤモヤは、結構いいものかもしれませんね。今だから言えますが。

1つ目は、店長だったとき。リーダーシップのスタイルをチェンジ。
2つ目は、独立する前。サラリーマン思考から独立思考へシフト。
3つ目は、去年。経験(回数)重視から、じっくり深めるへ。

 私のコーチングでは、「リーダーシップのスタイルをチェンジ」のところで行き詰まりを感じている人が多いので、そのことを振り返ります。


 以前に、NHKの特集で、“ONの時代“特集をやっていて、王監督も同じ所で行き詰まっていたのか!と、その悩みは、人の成長段階で、突破すべきことだと、気づいたことがありました。全く私と同じ突破方法でびっくりしたのです。

 リーダーの役職についていなくても、家庭でのコミュニケーション、友達とのコミュニケーションにおいても、実は同じ課題にカテゴライズされると私は思っていることなのです。


 私の店長の経験から話すことが分かりやすいと思うので、その話をします。
私が思っていた店長スタイルは、私がこうしたらうまく行くんじゃないかと、私が考えていることを部下にやってもらい、段々と結果に結びつくという考えでした。「指示型」という形でしょうか。

 例えば、接客能力をもっと上げるために、「接客ノートを書いてもらう」こと。そうすれば、皆自分のことを振り返る時間を持てて、次の接客がよりよくなるのではないかと考えました。自分が、毎日の接客を見直すために、接客の上手いスタッフを捕まえて、いつも指導してください、とお願いをしていた経験があり、私はよくなってきました。1日1日の見直しが必要だと思ったのです。ですが、1か月もすると、誰もノートを書かなくなりました。私も、うるさく言うのは好きではないので、「ま、いいか」と戦法を変えることにしました。

 次に考えたのは、「目標管理」です。私自身が数字を意識していたのもあり、毎日一人で15万~20万は、コンスタントに売れていました。「意識が大事」とスタッフにも考えてみるといいよ、ということで、パソコンで個人売り管理を促しました。しかし、また、みんなやらなくなりました。考えてみれば、「販売管理」のソフトをチェックすれば、売り上げなんて毎日確認できるのに、わざわざパソコン入力をさせようとしていたのですから、無駄な行動でした。今ならわかるけど(笑)その時は、必死だったもので…。

 「自分が成功してきたことを、相手にもやってもらう」は上手く行かなかったのです。
それから、社長の助言を頂いたときから、自分の店長の在り方を見直してみることに、自ら取りかかりました。それは、「自分の方から相手の興味あることにつっこむこと」です。

 今までは、自分が興味ありそうなことを相手にも「どうですか?」ってやっていたわけですから、全く逆です。私は、「オシャレは苦手だから」とどっかで開き直っていて、うまく相手に入れないでいたのです。

 今度は、逆に苦手だからこそ、相手から教えてもらおうと思いました。「どこで服買っているの?」と言うところから入ったのです。そして、その相手のお薦めショップへ、私も行って「とてもよかったよ!」と感想を伝えました。

 ディスプレーを作るにしても、私よりも普段からいろいろなショップをめぐっているスタッフたちの方からアイデアを引き出した方が、いいだろうということにも気づき始めました。「何か、いいディスプレー最近見た?」と聞くようにしたのです。みんな、楽しそうに話すではないですか!私もその様子を見て、とっても嬉しくなって、もっと皆の話に参加したいと思いました。

 そうやって、日常的にお店づくりのことに関して繋がる会話がされていたので、ショップ自体が「楽しい場所」になって行きました。楽しければ、どんどん発想も広がります。私も色々なアイデアが出るようになって、何でも試してみました。私が何でもやろうとするので、副店長の年上の男性は、そんな私をいつも見守ってくれて、「僕の方が、スタッフの注意とか指導はしますから」と言ってくれていたので、その方へも感謝しています。

 あの頃を思うと、今もリアルに感謝の気持ちと楽しい気持ちが湧いてきます。やはり、突破した先には、とてもいい景色がありました。あのお店での経験は、私の一生の宝物です。

 「自分の成功体験」で、相手を自分のペースに巻き込むよりも、相手の方に入り、「相手の成功体験を引き出す」をことが、私に必要な突破口だったのだと思います。


今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

これまでの人生で突破したと思う経験は何ですか?