スタッフ面談を「人生が変わるワンシーン」にするために。

 管理職の方の90日コーチング2回目のセッションでした。自分がリーダーとして、組織のモチベーションを上げ、結果を出すために試行錯誤はしてきたけれど、いまいち結果に結び付いていない…ということで、セッションのご依頼をいただきました。仕事だけでなく、プライベートでも転機があり、自分の考えている以外の自分の可能性も見つけていきたい、そんな目的でもあります。

 目下、スタッフたちの年に2回の面談があるということで、スタッフたちの士気もあがり、チーム全体で結果へと結びついていくような組織に変わることに結び付けられたらとお考えのようです。
 しかし、自分の上司は面談が上手かと言われると、お手本になるような人はいなく、自分でもどうしたらいいのか? 思考停止のようでした。

 まずは、現状をお聞きしていきました。基本的には、スタッフたちの自己申告書を元に話をしていくようです。それに対して、承認したり、これからの目標は…というような、どちらかというと書いたことによって、発生する面談になっているようでした。

 ここ2回やってきた面談と、全然違ったものにするには、どこにフォーカスを向けたらいいでしょうか? 
話をお聴きして私が感じたのは、「自己申告書を書いてもらった時点で、スタッフたちは自分でここ半年を回想しているはず」ということです。よって、面談の時間にスタッフたちが自分でやってきたことと同じような時間にすることは、ロスです。既に振り返りは済んだ前提で、先へと進ませることについて考えていきました。

 クライアントさんに面談の目的は? と質問すると、「こちらの方針を伝えること」と返ってきました。つまり、こちらの方針を伝えたうえで、どう協力してもらえるか? の話まで進むと、生産的な面談になるのではないかということ。面談の一つの目的が新しくできました。

 そのほかソフト面について、クライアントさんの傾聴力についても、確認していきました。私の経験上、男性の上司のほうが、女性上司に比べて承認しないほうです。女性部下としては、やはり褒められた方が嬉しいし、助かっていることを伝えてもらった方がやる気も出るというもの。クライアントさんは女性なので、その辺は日頃から出来ているとの自己評価でした。しかしながら、面談の時間ですので、改めて「承認する」というのは、とても効果があるのではないかという話へも進みました。

 具体的には、「自分で成長できたと感じていることは?」とか、「努力したことはなんですか?」などの質問をして、こちらからは見えない努力について、存分に語ってもらう時間にすると、話している方もモチベーションが上がるはずです。これまではそういった質問はしたことがなかったようですので、加えてみることになりました。
 また逆に、クライアントさんが面談でしてほしいことは何か? もお聞きしました。「仕事を任せてもらえたらうれしい」「話をしていて、楽しいこと」という答えが返ってきました。
先に、努力したところや、成長したところなどを語ってもらえていれば、こちからどんな仕事を任せたいか?も振りやすそうです。だんだんと、質問することで見えていなかった部分が見えてきそうなイメージが広がってきました。

 ここで、前進させることについて考えてきたので、マイナス要因となりそうなトピックについても考えていきました。(内容は割愛します。)

 いろいろな角度から、面談について考えることで、イメージが広がっていきました。最後に最も重要なことに触れることになりました。

  部下にとって、上司との面談は、どちらかと言うと話にくい場に感じている人のほうが多い気がします。基本的にそういう間柄では、提案したいことがあっても言いにくい関係性となり、いい案があったとしても日の目を見ないものも出てきてしまうかもしれません。この面談を通して、「話しやすい上司」と思ってもらえる機会にするといいのではないかと思うのです。

 私は、傾聴の仕事についてから、「話やすい」と言われるようになりました。きっと20代のころは、「話しにくい人」と思われていたに違いありません。自分でも生意気な方だったと思いますし、尖っていたと思います。話やすい人になると、「話しやすいです」と人から言われることが明らかに多くなるんだなと、自分の変化を感じました。

 クライアントさんは、「話しにくいとは言われたことはないけれど、話しかけにくい」と言われることが多いそうです。ということは、この面談を通して、クライアントさんの成長も期待出来そうです。「スタッフに『話しやすかったです』と言われることを目標にしてみては? 未来を設定しました。
 面談で生産的な話をするということよりも、これからの関係性を創っていくために、面談の場で「話やすい」を体験してもらう、というゴール設定にしました。目標をその先のスタッフのセリフにしたことによって、クライアントさんの思考も、もっと動くかと思います。

 最近、「話せてよかった」と言われたことがあったようです。そのときの感覚を言語化するために、いろいろと質問をしました。そのとき、クライアントさんがどんな思いでその話を聞いていたのか? 相手は何を話していたのか? など、思い出されました。既に「話せてよかった」と言われた体験を思い出したことで、できる気持ちも生まれてきたご様子でした。

 そのほか、面談がよりアクティブになるような、傾聴のスキルをいくつかお教えしました。私も「面談」で考え方が変わっていった経験があるので、有能な上司から面談をしてもらうというのは、人生を変えるほどのパワーがあると思っている方です。自己申告書を振り返るだけでは、もったいないです。
 面談の場は、相手の成長を願ったフィードバックから、相手の人生が劇的に変わる、人生のワンシーンなのです。上司側こそ、慣れるまで脚本を練ることが大事だと思います。

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