加えるよりも、あるものでどうにかすることが、可能性を広げる。

 靴、服、カバンなどを販売している店舗の方で、「カバンが売れないことについて」がセッションのテーマとなりました。靴は、デザイナーの個性が人気のようで、口コミで広がりやすく、ファンの方も多いそうです。カバンは、インポートのレザーもので、値段も3万~10万くらいのものだそうです。値段からすると、デザインもので素敵なものもありそうですが…。

 お客様が購入に至らない理由について、クライアントさんが思いつくことを話してもらいました。

「すぐいらないもの。サイズ感で悩む。かばんは探しているようだけど、お客様が想像しているのとは違うようだ」ということが出てきました。確かに、自分がお客様だったら普通に思うことです。

 しかし、「お客様が欲しいと思っているものがないから売れない」というところに、クライアントさんがフォーカスしているなと私は感じました。可能性にフォーカスするとしたらどう思考すればいいでしょうか?

「つまり、お客様が想像していないカバンがあるということですよね」

「確かに」

「てことは、そのかばんのよさをお客様に説明して教えていくことが必要です。お客様の要望を聴いているだけでは、お客様のイメージしたものしか手にできないってことですよ。もっと可能性を広げてあげることもできますよ。私がよく行くお店では、シャツが3万円くらいするんですけど、いつも買っちゃうんですよ。というのは、店員の説明が加わると、『へえ、なるほどね。それはすごい』となって3万のシャツを買ってしまうんです。ちなみにプレセールで買いますけどね。(笑)つまり、それが提案力です」

「なるほど。私はお客様に気を取られていたようですね…」

フォーカスするところを変えたことで、可能性が見えてきました。

a.お客様の要望の物がないから売れない。
b.お客様の想像以外のものがそこにある。

 aパターンを搭載した場合と、bパターンを搭載した場合と、未来の広がりは違いが出てくるでしょう。コーチングセッションを繰り返すことで、だんだんとbパターンになれるかといえば、そうでもなく、これは自分が意識して修正していく必要があると思います。

 マジックワードは ” I can do that! “ 先にそう言ってしまうと、なんだかできる気になって、できる可能性を探そうと脳が動いていきます。何かを買えば解決するとかでなく、あるものでどうにかしてみようとすることが、潜在意識に働きかけます。

 今朝、セッションや何人かのクライアントさんのメールのやりとりがありましたが、「ない」という発想から考え出そうとするから、思考停止するよう見えました。

 「Possibilities」にフォーカスすると、こういうフィードバックになります。


「もっとアナログの方法を考えてみてください」

「その掃除道具は、買わなくても作れますよ。長い棒にマイクロファイバー雑巾をつけるだけです」

「本を出版するくらいの重圧になってますよ、もっと気軽に取り組んでください」

→ そのあとすぐ返信をいただき、みなさんブレイクスルーしたようです。

  難しくしようとしすぎなのかもしれません。外から加える解決をすぐに用いず、まずは自分の内側をもっと探ることができるんだと思います。加えるよりも、あるものでどうにかすることが、可能性を広げる。シンプルに考えるほど、自分の中に答えが見つかると思います。